弁護士ブログ

2018.04.13更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

ずいぶん空いてしまいましたが、更新します。

 

このたび、相続相談弁護士ガイドさんから取材を受けましたので、

リンクを貼ります。 

https://souzoku.how-inc.co.jp/topics/4140678

 

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かなり時間が空いてしまいましたが、またブログを再開したいと思っています。

 

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投稿者: 弁護士 野澤吉太郎

2017.02.24更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

相続と弁護士、のテーマを長々と書いていく理由について、

この機会に書きます。

 

1 最も大事な時期は相続開始直後であること


 

 

多くの場合は、対策が不十分なまま相続が開始します。

死亡届を役所に出さないと火葬してもらえない、

その後お葬式を手配する、

現地を訪れる、年金の手続きをする、

銀行の手続きをする、など、

悲しみに暮れる間もなく、

たくさんの事務処理を進めなければなりません。

 

当初の時期に誰かが預金を引き出したり、

何かを持ち去ってしまうから「遺産争続」になる、

あるいは、債務を見落としてしまう、

ということによって、

トラブルが深刻になることが非常に多いものです。

 

トラブルになった後に、遺産分割協議に関与する、

あるいはトラブルを避けるために遺言を予め書いておく、

という形で、専門家が関与することは多いです。

遺言もないような場合に、トラブルを避けようとするのであれば、

相続開始直後にきちんと資産、負債の調査を行うことが大事です。

その領域には専門家はあまり関わっていません。

 

破産管財事件などに関与していると、

初動が大事だ、ということを、何度も何度も言われます。

相続も全く同じです。

破産と異なり、被相続人は亡くなっていますので、

早期の保全は破産の場合よりはるかに重要です。

 

しかし、そういうことを言っている専門家、

あるいは関わっている専門家をあまり聞いたことがありません。

 

やはり、四十九日、という事実上の慣習がネックになっています。

財産を分ける話はしない、というのは、

宗教上の見地からは尤もなものとして腑に落ちます。

しかし、事実を把握することは非常に大切なことです。

全相続人のために資産を保全してしまえば、

分け方の話は後でも良いのです。

 

2 専門家は断片的。


 

身の回りの人の相続について、

ほぼ最初から最後まで自分(私自身)でやってみました。

相続に関する専門家の関わり方について、

専門家の側と相続人の側で認識が恐ろしく異なることに気がつきました。

 

相続人からすると、たくさんの専門家を、

スポット的に紹介されるのは、

はっきり言って説明が面倒で、本当に困ります。

よほど上手な司令塔がいないと、はっきり言って邪魔くそになります。

野球の野手のお見合みたいな理由で、

フライを見落とすことも多いのではないか、という懸念も感じました。

 

相続が開始した後に、いったい何をすれば良いのか、

統一したメソッドを確立するようアドバイスする人があまりいないように思います。

周りを見回すと、遺産分割のトラブルよりも、

事務処理がひたすら面倒な事例のほうがはるかに多いように思います。

多くの人は、進め方が分からないから困っているのです。

 

全部を伝えきることはできないと思いますが、

最初から最後まで経験した一例を書くことによって、

全体像の把握に少しでも役立つようにと思い、

引き続き書き続けることとします。

 

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投稿者: 弁護士 野澤吉太郎

2017.02.23更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

故人が亡くなられた後、相続の最初から最後まで弁護士が関わる場合に、

何を最初に行うか、具体例を書きます。

 

1 現場~故人の住居~を訪れる


 

まずは、調査が必要です。

何事も、最初に現場を訪れることが肝要です。

現場に残された証拠を把握することです。

相続の場合の現場とは、故人の住居です。

相続人の了承を得て、同伴することは当然です。

中にあるもの、特に資産関係には、

手をつけてはなりません。(当たり前です)。

相互監視の仕組みをつくることが重要です。

 

何を注意して見なければならないかが問題です。

一言で言えば資産と負債を把握することです。

もっとも重要なのは、負債の調査です。

預金通帳と郵便物を中心に見ていくことになります。

 

相続の相談を受けるとき、

資産の分け方についてお話される方がほとんどです。

必ず返答するようにしていることは以下のとおりです。

そうではなくて、まずは負債ですよ、

こういう債務があるとあとで面倒な目にあいます、

特に連帯保証債務はありませんか、

負債の存在をうかがわせる書類はありませんか、

ということを言います。

 

2 負債の調査~通帳履歴と郵便物の調査



負債の調査が必要だ、というアドバイスをした後に、

必ず以下のような質問を受けます。

負債は、どのように調査をすれば良いのですか?

 

難しい質問ですが、

通帳の履歴と郵便物を集めて、地道に見ていくほかない。」

と回答することになります。

 

どの程度調査すべきかは事案により異なります。 

独居の方の場合には、そうでない場合に比べ、

慎重に調査する必要があります。

 

郵便物が整理できていないまま亡くなられる方もいます。

郵便物を見るには現場に行くしか方法はありません。

この場合、書類の整理から始める必要があります。

郵便物などを信販会社ごとに分別し、

銀行預金通帳と照らし合わせて、

この債務は支払われた、支払われていない、

ということを確認していきます。

恐ろしく地道な作業になります。 

 

3 資産負債の調査は弁護士が適任であること


 

資産負債の調査については、弁護士は経験的な知見をもっています。

特に、破産関係の業務の経験が非常に生きてきます。

 

私も裁判所から破産管財人に任命されることがありますが、

就任後、破産者からの郵便物が転送されてきます。

郵便物の転送を受けている段階で、

新しい債務を発見したりすることがあるからです。

弁護士は探偵ではありませんから、全てが分かるわけではありませんが、

書類を読み込んでいくと、資産負債の「におい」を感じます。

「におう」点を重点的に調査することになります。

弁護士は、一般的に、資産負債調査の場数を踏んでいるといえます。

 

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投稿者: 弁護士 野澤吉太郎

2017.02.21更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

しばらくの間、ブログを書くのを止めていましたが、

久しぶりに再開し、相続について書いていきたいと思います。

 

1 相続に対する弁護士の一般的な関わり方



これまで、弁護士が相続に関与する場合、

「遺言の作成」

「相続放棄、限定承認」

「遺言執行者」

「遺産分割」 

などと、

相続の全体像の一つ一つの場面を取りあげて、

弁護士が受任する場合が多かったと思います。

 

特に遺産分割に重きが置かれていたのではないかと思います。

少し前ですが、「遺産争続」というドラマがありました。

お客様の側にも、弁護士の側にも、

弁護士イコールトラブル、相続でいえば遺産分割、

の考え方が浸透していると思います。

確かに遺産分割の争いが大きい場合は、

当事者も弁護士も相応の労力を遣います。

その前後の出来事(遺産の調査、換金、登記、税務申告など)には、

関与しないか、別の専門家に任せる場合も多かったと思います。

 

2 司令塔の存在の必要~最初から最後まで相続に関与すること


 

しかし、相続の全体像を場面場面で切り分けて捉えていく考え方は、

相続人であるお客様のニーズを捉えていません。

専門家でチームを組んで対処する事例もあると思いますが、

大がかりな事例でない限り、専門家が複数介在することは、

費用が高くなり、専門家に依頼することに躊躇が生まれます。

相続人、専門家の情報が断片的になりがちです。

その躊躇の間に間違いが起こることも少なくありません。

不適切な結果をもたらすことも多いのではないかと思います。

 

最近、必要があり、相続の処理のほぼ最初から最後まで関与する機会がありました。

最初の時期の書類の確認から始め、換価を行い、

相続税申告書の原稿まで検討しました。

その中では、遺産分割協議書の作成などは取るに足らない事務処理でした。

争いのない事例であっても、その事務処理の量は非常に膨大なものです。

非常に労力を遣うということを身をもって知りました。

事務処理については誰に相談すれば良いのか?

事務遂行は弁護士に相談するべきものなのか?

一般の方々は本当に戸惑うと思います。

 

争いごとはないものの、

事務処理を円滑に進めることが大変な事例が、

圧倒的に多いのではないかと考えています。

 

「事務処理は明らかに必要だけれども、紛争はない。

だから誰に相談して良いのか分からなかった。」

という話を聞くことがあります。

争いのない事例であっても、全体の司令塔がいるほうが、

相続人はずいぶん楽になります。

 

司令塔が弁護士でなければならないわけではありません。

しかし、これから何回かに分けて理由を書こうと思いますが、

司令塔は弁護士とするのがベストであると考えます。

 

3 弁護士が紛争を解決する専門家であることは当然、

前提として、事務処理を行う専門家であるべき


 

 

弁護士は紛争を解決する専門家ですが、

それ以前に、事務処理を進める専門家です。

紛争があればそれを解決することは当然ですが、

お客様のご要望があれば、

紛争の有無にとらわれず、

最初から最後まで事務処理を執り行う姿勢で臨むべきものと思います。

 

これから具体例を書いていきたいと思います。

 

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投稿者: 弁護士 野澤吉太郎

2016.04.06更新

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弁護士をしております、野澤吉太郎です。

不動産の供給過剰の世相のもとで、

どのような不動産事件が増えるかについて、

考えを簡単に書いてみようと思います。

 

1 不動産の供給過剰とトラブル


 

 

都市部でタワーマンションやオフィスビルが次々と新築されていますが、

明らかに供給が過剰なように思います。

人口が減少しているのに住居が増えている状況です。

オフィス需要も、どの程度堅調に推移するか疑問です。

クラウドサービスの進展により、

パソコンを持ち歩けば仕事ができる時代です。

 

外国人や海外会社の需要を取り込む動きもありますが、

手放すモチベーションがどうしても高くなるように思いますし、

戻りの程度は限定的なように思います。

一時需要の取り込みも、

一歩間違えるとトラブルの原因になります。

例えば、民泊を活用する動きもありますが、

個人的には、慎重に考えたほうが良いように思います。

無断転貸、用法違反などのトラブルを招く可能性もあり、

裁判などで解決しなければならないトラブルも増えると思います。

 

2 管理の困難な不動産の後始末(賃貸借の解約、建替)


 

 

今後は、需要の減退を遠因とするトラブルが、

徐々に増えていくように思います。

賃貸不動産やマンション等は、

満室であることを前提として新築されたものが多いですが、

老朽化すると、次第に空き部屋が続出し、

管理が困難な状況に陥る物件が多くなります。

耐震設計上懸念のある不動産について、

建て替えを推し進めるべき状況も徐々に顕在化しています。

高齢化の進行もこの傾向に拍車を掛けるように思います。

 

行政が急ぎ対処する事例も多くなると予想していますが、

予算が限られている中で、行政のみに対処を委ねていると、

手遅れになることが多いと思われます。

 

不動産が管理困難な状態に陥る予兆がある場合、

管理の継続の方法と、手じまい(取り壊し)の計画の策定を、

民間人が関与し、ノウハウを積み重ねることが

求められているように思います。

例えば、最低限の管理を継続しながら、適切なタイミングで、

賃借人に退去していただけるよう予め戦略を練る。

賃貸マンション等に比べれば、後見案件、相続案件でも、

規模は小さいものが多いですが、同様の現象がみられます。

この領域で弁護士が活動していく余地が

大いにあると踏んでいます。

 

不動産事件に関するブログは、ひとまずこれにて終わりにします。

 

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投稿者: 弁護士 野澤吉太郎

2016.04.05更新

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弁護士をしております、野澤吉太郎です。

私は地方の不動産紛争に何件か関与したことがありますが、

その過程で慣習上の権利の存在に直面しかけて、

非常に考えさせられたことがありましたので、概要を書きます。

 

1 土地所有権侵害


 

 

依頼者が所有する山林の中に、付近の住民が、

野草の採取のために立ち入っている、

という相談を受けたことがあります。

大学で現代の法律を学び、

その後に東京で弁護士業を何年も営んでいると、

付近住民によるそれらの行為は、土地所有権の侵害だろう、

と即断し、疑わなくなります。

当然、立ち入り禁止の看板を出そう、簡単でも良いから柵を作ろう、

侵入者には警告しよう、というアドバイスの流れになります。

 

付近住民が言いそうな主張内容はある程度想像がつきます。

たとえば、その山林の所有者はよそ者(地元と縁のない業者)だろう、

私たちの先祖が地元に根ざして土地を開拓してきたのだから、

私たちにも権利がある。というものだろうと思います。

民法の思考回路に慣れ、都会的発想にも染まった人間からみると、

所有権を否定するとんでもない論拠だ、

まったくルールを理解していない、という考えに陥ります。

 

2 慣習上の権利


 

 

しかし、その後に一見関係のない分野も含め、

いろいろなところから見聞を深めるにつれ、

私のアドバイスが少し安直だったことが分かってきました。

 

たとえば、入会権という権利があります。

入会権の定義は学者の先生方によって様々ですが、

典型例としてあげられるのは、一定地域の住民らが、

一定の山林原野で草木などを共同して採取する、というものです。

村落共同体に基礎を置く権利であり、

その対象は、山林、原野、河川、温泉、漁場など、

広範囲に及びうるものです。

 

民法上の条文は、2箇条しかありません。

・共有の性質を有する入会権については、

各地方の慣習に従うほか、この節の規定を適用する(263条)。

・共有の性質を有しない入会権については、

各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する(294条)。

 

明治時代に地租改正を断行し、近代的所有権制度を確立するにあたり、

土地を官有地・私有地に分けることになりましたが、

特定の土地を、半ば強引に官有地に編入する際に、

付近住民の権利が完全に消滅することなく、

残存したものがあるようです。

明治時代の民法制定の際にも、

各種各様の権利を

条文で一律に規制することは不可能と考えられたため、

慣習にしたがう、という内容の条文しか

設けられなかった経緯のようです。

今後の民法改正でも

この条文を変更するとの話は出ていないようです。

 

かつて官有地、地方公共団体の所有であった土地については、

入会権が残存している可能性が高く、

現在においても、取得しようとする不動産業者は

細心の注意を払って調べる必要があります。

入会権は登記されているとは限らないところが厄介なところです。

 

バブル期の土地開発においては、開発を進めようとする業者に対し、

隣地住民が入会権を主張し、徹底的に抵抗する紛争があったようです。

徳川時代に形成された慣習にさかのぼって

調査をしなければならないため、

主張、立証に相当の長期間を要し、紛争が解決したときには、

開発の意味が乏しくなっていた、などという話も聞いたことがあります。

 

3 地方の不動産紛争の難しさ


 

 

私は、間違ったアドバイスをしていたわけではないのですが、

付近住民が本当に無権利なのかどうかを疑わなかったことに、

多少の問題がありました。

付近住民がその土地について昔から慣習的な権利を有しており、

現在の住民も、その慣習的な権利を承継している可能性があります。

昔からある土地の所有権を過去にさかのぼっていくと、

地租改正の時代にさかのぼります。

このような土地において、

慣習的な権利の不存在を証明することは非常に困難です。

 

入会権については、民法学者の中にも、

多大な研究業績を残されている方が何人かいらっしゃいます。

近代的所有権を出発点に考える民法の考え方からすると、

非常に理解しづらい領域です。

社会学的な分野に関心をお持ちの学者からすれば、

これ以上面白い分野はないのかもしれません。

地方の不動産紛争については、

近代的な土地所有権を鵜呑みにできない側面があります。

 

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2016.04.04更新

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今回は不動産の開発に伴う環境規制について書きます。

 

1 不動産と環境規制


 

 

不動産に関するデューディリジェンスをおこなうにあたり、

環境法規制に関する考察は避けては通れないものになっています。

環境被害の多くは、土地建物を問わず、不動産から生じるものです。

 

不動産の開発申請については、会社、不動産業者と行政側の折衝によって行われることが多く、

それで大体事足りており、弁護士が参与することはあまり多くなかったように思います。

弁護士も細かな法規制についてはあまり知らないことが多く、

私自身もあまり明るくない分野がたくさんあります。

 

しかし、ビジネスの構築に寄与することがこれからの弁護士に求められているものと思いますし、

その中には不動産の開発等が密接に絡むものも沢山あります。

環境規制は、無尽蔵ではないかと思えるくらい、多種多様にわたります。

1つ1つ条文から勉強していくことは途方もないくらいです。

私自身は、ビジネスの構築の経験を積む過程で、少しずつ詳しくなることを目指しています。

 

2 法律や文献の調べ方など


 

 

公害規制的な内容のものとしては、廃棄物処理法などがあります。

自然保護的な内容のものとしては、自然公園法、森林法、河川法などがあります。

挙げればキリがないくらいです。

インターネットなどで環境規制を総ざらいし、

必要性の高そうなものについて深掘りして調べていくことが必要です。

 

何年か前に森林法について詳しく調べようとしたことがあります。

しかし、そのころ、これらの法規制について、

考察を加えた文献がほとんどありませんでした。

官庁の図書館などに出入りしながら根気よく調べました。

せっかく文献を見つけても、行政の解釈については言及されてはいるものの、

法制度の問題点などを明示に指摘するようなものは特にありませんでした(当然ですが)。

文脈のウラを読んでいく作業に非常に苦心したことが思い出となっています。

温泉法、河川法などについても同様の状況であったと思います。

 

3,4年くらい前からだったと思いますが、徐々に、文献が出始めています。

弁護士増員の成果といえばうがった見方かもしれませんが、

徐々に業務が開拓されている実感があります。非常に面白い状況だと思っています。

 

3 新規事業と環境規制


 

 

原発事故の後、環境への配慮から、

再生可能エネルギーが奨励された時期がありましたが、

再生可能エネルギーが必ず環境に優しいか?と考えてみると、そうでもないように思います。

 

特に、メンテナンス不十分な太陽光発電などは、漏電、発火のおそれがあり、非常に危険です。

パネルを見ると何となく楽しくなります。

触りたくなる人もいるかも知れませんが、感電死してしまいかねません。

 

環境規制を厳しくして生まれた事業にも別の環境規制が必要となります。

終わりのないリスク管理の連続です。

 

環境規制について絶えず厳しくチェックする仕事は、相当の潜在的需要があるように思います。

 

4 海外の不動産においても概ね共通の問題があること


 

 

しかも、環境規制は日本国内に限ったものではなく、世界的にほぼ同種の規制がある、

という点が非常に興味深いところです。

日本国内の環境規制に詳しくなれるのであれば、

海外事業でも応用を利かせられるのではないかと思っています。

 

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2016.04.03更新

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今回は、賃料増減額をめぐる紛争の処理について書きます。

 

1 借地借家法に基づく増減額請求権


 

 

まずは条文上の根拠を挙げます。

土地については借地借家法11条、建物については借地借家法32条です。

 

借地借家法11条1項

地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、

土地に対する租税その他の公課の増減により、

土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、

又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、

契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。

ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

借地借家法32条1項

建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、

土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、

又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、

契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。

ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

 

商業不動産開発などが盛んであった時代などにおいては、

年々ますます景気が良くなるだろう、という見通しのもと、

賃料自動増額条項などが契約書に設けられ、所有者を勧誘していた事例がありました。

私が弁護士になった時期ごろにこの件に関する紛争が多発しており、

裁判例も蓄積されていました。

 

増額、減額のトレンドは、景気に左右されます。

賃料自動増額条項などに関連する紛争は少なくなっていると思いますが、

最近、都市部においては増額のトレンドになりかけているような気がします。

権利行使までの調査の内容、権利行使のタイミングについてアドバイスをすることが、

請求を行う側の弁護士の重要な仕事です。

 

2 調停


 

 

賃貸人、賃借人間の交渉がまとまらない場合には、

請求をする側の当事者は調停を申し立てなければなりません。

多くの場合、裁判所による鑑定を経ていない状況で調停を行います。

片方の当事者が依頼した不動産鑑定士による鑑定書がある場合でも、

その内容を相手方当事者が受け入れないことが多く、

私の実感としては調停が成立して紛争が終結するケースは割と少ない気がします。

 

3 訴訟


 

 

調停が不調に終わった場合は請求をする側の当事者が訴訟を提起することになります。

お互いの主張立証を一応尽くした後に、不動産鑑定を実施します。

鑑定書が出された後に、話し合いの機会が持たれることが多く、

話し合いが決裂した場合には証人尋問、判決という流れに移行します。

 

4 弁護士の活動


 

 

訴訟にまで至った場合、不動産鑑定士による鑑定の内容が結論においても採用される可能性が高く、

正直なところ、弁護士が知恵を働かせて大きく流れを変える、ということはあまり多くありません(特に被告の場合)。

しかし、法廷の場で賃料の増減額を争うにまで至る背景には、

賃貸人・賃借人の間で別のトラブル(賃料不払い、用法違反など)も隠れていることが多く、

訴訟上の和解の場でこれを解決できる可能性もあります。

また、どの時点から賃料を増額するか(意思表示時か、和解時か)、

鑑定費用を誰が負担するか、などにおいて、

駆け引きを行いやすい環境があります。

話し合いを成立させるための戦略、駆け引きについては、

弁護士の出る幕は大いにあります。

 

5 弁護士費用


 

 

弁護士費用については、月額の増減額の請求幅または実現幅×7年分を経済的利益とみなし、

それを交渉、調停、訴訟の着手金・報酬金の算定式にあてはめることでお願いしています。

鑑定費用は別途必要です。鑑定費用をどの当事者が負担するかは、話し合いの場合はその内容次第であり、

判決の場合は、概ね、鑑定費用の金額に敗訴割合を乗じた金額となります。

(このことから、判決が不利な内容の場合には、話し合いをしたほうがよい場合が多いといえます。)

 

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2016.04.02更新

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今回は、管理費用の捻出が困難な不動産の案件に関与した際の、

若干の経験を書いてみたいと思います。

 

1 管理困難な不動産


 

 

マンションを活用した不動産賃貸業等を営む会社が、

支払不能になるケースなどが典型例です。

賃借人の退去が続き、売上(賃料収入)が減少すると、

費用の捻出に苦心します。

場合によっては、水道光熱費、火災保険料などを

拠出できない場合も出てきます。

不測の事態が生じた場合には、

賃借人に損害を与えるおそれがあります。

費用を工面できない場合には、

対処療法を施しながら粘っていくしかありません。

 

2 将来、管理困難な不動産の問題が深刻になっていくおそれ


 

 

詳細の言及は控えますが、

私もこのような不動産の管理に関与せざるを得なかったことがあり、

何度もヒヤッとさせられたことがあります。

営業中のテナントがいる不動産に関して、

明日電力供給を止めます、

いま水漏れが起きているけれどもどうしたらよいか、

などという緊急の電話が来たりします。

法律が絡む問題であれば、

倒産法制にしたがって処理しなければなりませんが、

背に腹を代えられない状況は沢山出てきます。

 

複数のテナント、賃借人がいる不動産において、

管理責任者が当事者としての責任を負えなくなることほど

恐ろしいことはありません。

ゴミ屋敷などの例がニュースで報道されたりすることもありますが、

不動産管理は不動産所有者や管理組合など、

当事者が行うのが大原則であって、

よほどのことがない限り行政が介入することはありません。

地方においては人口が減少し、

都市部においてはマンションの供給過剰の傾向にあり、

地方、都市を問わず、高齢者が増えていくという趨勢であるため、

この種の問題が今後深刻化していくことは

ほぼ間違いないと思われます。

肌実感ですが、現状の倒産法制は、

管理の荒廃について十分な配慮を施していないように思います。

 

3 高圧電力供給の問題


 

 

高圧電力供給の料金の未払いへの対処に

何度も悩まされたことがあります。

いったん電力供給を打ち切られると、

料金を支払えばすぐに供給が復旧する、

ということではなく、再開設まで2週間くらいかかる

(正確かどうかは不明です)ようです。

営業店舗などがテナントにいる場合には、

その期間の電力供給停止により、

回復不能な損害を被ることがあります。

 

そのため、多くの場合、結局は、

電力料金を支払わざるを得ないことになりますが、

そうは言っても1回分だけなら滞納できるかどうか、

など細かい注意点が沢山あります。

倒産法制の教科書的対応をしているだけでは

対処しきれないことが多いです。

私がたまたまそのような経験をさせられただけかも知れませんが、

高圧電力供給体制についてはほかの水光熱費の未払いにも

まして細心の注意を払う必要があります。

 

4 管理組合


 

 

管理組合が好き勝手な振る舞いをして

区分所有者が異常な苦労を強いられることがあります。

特定の団体(出入り業者など)が、

過半数の区分所有権を掌握したりすると、

気ままに管理組合を運営することがあります。

少数派が異議を申し述べたりしても一顧だにせず、

少数派がマンションを売却しようと思っても、

管理組合が重要事項説明書を不動産業者に提出してくれない、

したがって売却することもままならない、

などという事例があったりします。

 

区分所有法に限らず、会社法などを含め、

日本の法制度全般において、

多数決の横暴に対する歯止めの意識が弱いように思います。

 

特に単身者向けのマンションなどは横の繋がりが弱いので、

このような問題が横行しやすい下地があります。

いずれにせよ、不動産を選ぶ際には慎重に観察する必要があります。

 

 

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TEL 03-5226-0617

HPはこちらをクリック

 

投稿者: 弁護士 野澤吉太郎

2016.04.01更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

仕事上の都合がいろいろと立て込み、更新が遅れました。

久しぶりに不動産について書いていきます。

今回は、不動産の任意売却について書きます。

 

1 オーバーローンの場合の任意売却


 

 

不動産の決済は至るところで行われています。

多くの案件では金融機関のローンを担保するため、

抵当権が設定されており、その抹消が必要となります。

売主が買主から受領した代金を原資として、

ローンの元金、利息の満額を支払ってくれれば、

金融機関は、抵当権の抹消に応じてくれます。

決済によりローンを完済できるような事案であれば、

弁護士が介入するまでもないことが多いです。

 

金融機関に対するローンの金額が不動産価値よりも多額の場合などには、

金融機関が満足する売却価格を提示しない限り、

金融機関は抵当権を抹消することに難色を示します。

とはいえ、不動産価値は市場の需給により決まるものであり、

価格をつり上げようとしても自ずと限度があります。

無謀に高価な売却価格にて売却させようとして粘りすぎると、

不動産の処分が遅れ、ローンの回収も捗りません。

金融機関は、どの程度の売却価格で売却し、どの程度の金額を弁済すれば、

不動産の処分を許容するかについて、ある程度もくろみを立てています。

このような場合、金融機関に対するローンの支払い方法に関する交渉を含みますので、

弁護士が事務処理に参与する下地があります。

 

2 相続案件での任意売却


 

 

遺産分割案件をはじめとした相続案件において、

任意売却が必要となるケースもあります。

相続財産に不動産が含まれる場合には、現物で分けづらいので、

とりあえず法定相続分にしたがい相続人間の共有としておく、ということがあります。

そのような共有不動産をいよいよ売却する場合には、

共有者全員で売却に向けて活動することが困難な場合がありますし、

特定の共有者に対して委任をしたとしても、

その受任者が関係者に対して金銭を適正に配分するか否かが疑わしい場合などもあります。

このような場合には、専門家である弁護士に委任することが適切です。

 

3 任意売却業務の進め方 


 

 

不動産の任意売却案件は、特に破産管財人の業務で多く経験しております。

任意売却の経験が豊富な不動産業者と連携して処理することとなります。

急いで各種関係者と交渉を重ねていきます。

競売の開札期日の10日くらい前に買主候補者が見つかり、

その時点から複数の抵当権者、差押債権者(市)との交渉を始め、

買主候補者が何度も変わり、1週間程度で決済にこぎ着けたことがあります。

終わったときには40度の発熱をした思い出があります。

 

4 弁護士報酬等


 

 

事案により異なりますので、ご相談いただければと思います。

大まかな目安は、売却代金の3%程度だと考えております。

 

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