弁護士ブログ

2016.03.15更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

今回は、敷金、保証金をめぐる紛争について、

若干ですが書いてみたいと思います。

 

1 敷金などのトラブル


 

 

敷金は、賃貸借契約において

賃借人の負担する債務の担保として賃貸人に交付される金銭であって、

通説によれば、

賃借物の明渡時までに生じた債務(未払賃料など)を担保する、

とされています。

実務上は、賃借人の原状回復義務を

賃貸人が代行する際に生じる原状回復費用を控除して、

敷金の残金を返還することが多いですが、

実際には、経年劣化などの賃借人の用法義務違反と関係のない費用までも

控除する例が多いようです。

頻繁にみられる事例ですが、

判例のルールがそれほど明確に確立されていない分野です。

 

十数年ほど前からの大きな流れですが、

概して、法律上の根拠が希薄な金銭の徴収、差し引きについては、

裁判所において厳しい判断が下されることが多くなっています。

過払い金などもその典型的な例だったと言えると思います。

消費者金融業者の多くが倒産処理を行いましたが、

そこまで追い込むこともやむなし、というのが、

大きな趨勢だったのだろうと思います。

 

不動産賃貸事業を大規模に展開している賃貸人の側においては、

敷金や更新料を資金繰りのアテにしすぎると、

判例の変更などにより、事業の存立基盤にリスクが生じます。 

裁判所に持ち込まれる事例も増えていますので、

具体的な事情をみながら、

トラブルの少ない処理に近づけていくことが必要だろうと思います。

 

2 保証金トラブル


 

 

商業ビルの建築協力金などの名目で、

賃貸人が賃借人予定者に対し、保証金を徴求することがあります。

この保証金の法的性質が明瞭でない場合が多く、

賃貸人が交替した場合に保証金返還債務が承継されるか、

返還請求の時期がどの時点で到来するか、

などの争点が顕在化することがあります。 

法律による規律が皆無に近い論点であるため、

賃貸人、賃借人のどちらの立場においても、

契約書上、明確なルールを設定しなければならないところです。

 

年利数%の運用益を前提として

保証金の返還を約束する事例などもありますが、

このご時世においては、運用自体が非常に難しいことですし、

大型物件の閉鎖が相次いでおり、不

動産価値そのものが下落する傾向にもあります。

大きな金額の未収が生じたりする場合がありますので、

預託する場合には非常に慎重な配慮が必要なところです。

 

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投稿者: 弁護士 野澤吉太郎

2016.03.14更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

今回は、不動産賃貸借契約の解約申入れと

立退き交渉について述べます。

 

1 不動産賃貸借契約の解約申入れと立退き交渉


 

 

再開発などにおいてよく問題になる事例です。

借地借家法が適用される不動産賃貸借契約においては、

貸主側から解約申入れをし、退去を求めることは容易ではありません。

(他にもありますが)主な考慮要素は、

貸主の自己使用の必要性と借主の使用の必要性です。

貸主側から立退料の提供の申し出をすることが

補完要素として考慮されます。

 

しかし、再開発する場合に貸主が自己使用の必要性の要件を満たすことは

非常に困難か、もしくは無理です。

これまでの判例、裁判例などで集積された

膨大な事例についての紹介は割愛しますが、

自己使用の必要性が希薄な場合には、

認定される立退料の金額が非常に高額になるか、

もしくは立退料をいくら積んでも請求を認めることができない、

という結論になる可能性が高いです。

貸主が訴訟を提起しても

請求が認められる可能性は低いということになります。

 

この種の件で、貸主から明渡請求訴訟を提起することもありますが、

多くの場合、借主に対し、

和解の席に出てきてもらうために起こすものであり、

白黒を付ける目的ではないことが多いです。

立退料の金額などの内諾を受けている場合には、

和解契約を締結したり、即決和解手続を活用することも多いです。

 

2 紛争処理の態様と心構え


 

 

大がかりな件では、解約申入れに基づく明渡し請求訴訟と

即決和解を多数同時に抱えるなどしなければならないこともあります。

即決和解の場合はもちろんのこと、訴訟を提起する場合でも、

判決の結論をまたず、話し合いにより終結することもあります。

即決和解の場合は、合意管轄を取得して、

早期に処理してくれる裁判所を探すこともあります。

 

この種の件では、多かれ少なかれ、左右表裏問わず、

強烈な人々が入れ替わり立ち替わり言い分を述べてくる可能性が

否定できないので、その行動の予測、適切な対処、

それらに根付いた正しい戦略の策定にも非常に神経を遣います。

 

貸主、借主のいずれの場合でも、たいていは、

ブレずに対応するとトラブルを避けられる、

分不相応に自分の立場を主張しすぎると解決も困難になる、

本当に誠実に対処することが求められている事情がある場合には、

どのような相手に対しても誠実な対処をすべきである、

というのが実感です。

人間の営みに対する洞察が問われる類型であると思われます。

 

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2016.03.13更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

今回は手付金、違約金をめぐる紛争について書きます。

 

1 手付金の定めに関する紛争の実例


 

 

不動産売買契約日と代金支払日との間に間隔が空く場合に、

手付金が支払われることがあります。

手付金は、決済時において代金の一部に充当されます。

手付金の支払後、買主が不動産売買契約を解約したい場合には、

手付金は没収され、

売主が解約する場合には手付金の倍額を返還することとなります。

現実には、買主が手付解約する事例のほうが多いと思われます。

 

住宅ローンなどの融資が下りることを前提として

不動産売買契約が締結されることがあります。

このような場合、不動産売買契約において、

融資が下りないことが確定した場合には、

手付金を返金するだけで契約を解消する特約を入れたりします。

手付解約の応用パターンです。

しかし、「融資が下りなかったこと」を立証することは、

実は、意外と難しいです。

銀行などは、融資審査の内容を不動産業者などが

聞いても教えてくれないこともあるからです。

そうすると、売主である不動産業者から、

「融資が下りなかったというのはウソで、

本当はあなたが購入する気をなくしただけだろう?

本気で融資審査を受けていないだろう?」

というロジックで、手付金は返さず、

かえって違約金請求などをされることがあります。

住宅ローンの場合には、レピュテーションリスクがあるため、

そこまで露骨な紛争になることは少ないかも知れませんが、

事業用ローンなどの場合には、そのような事例があるように思います。

 

2 違約金の定めに関する紛争


 

 

不動産売買契約日と代金支払日との間に間隔が空く場合に、

違約金の定めが置かれることが多いです。

売主が物件を確保し、

ほかの買主候補者の購入申し出を断らなければならないためです。

違約金額は、通常、代金額の10%~20%程度です。

 

多くの場合、何らかの理由で残代金を支払うことができない買主が

違約金の請求を受けます。

割とトラブルになることの多い条項です。

私も数件、被告代理人として関与したことがあります。

個人等が巨額の請求を受けることも多く、非常に厳しい紛争です。

上記の1の手付金の紛争と絡めた形で紛争化することもあります。

 

双方が相手方に対する請求を立てる場合が多い類型です。

自分の債務を履行したが

相手が債務を履行しないから契約を履行できないのだ、

よって契約を解除し、違約金を請求する、というロジックは、

多くの場合、お互いが他方に対して言いたい言い分だからです。

  

3 買主の立場から紛争を避けるために


 

 

手付紛争については、手付金をなくすことが最も重要だと思われます。

業者は、手付金を自分の会社の資金繰りに回してしまうことも多く、

一度もらったお金は早々簡単には返金したくなくなります。

 

違約金については、なくせない場合もあると思いますが、

不当に高い分率であれば、

比較的低い割合に低減するなどの交渉を

活性化させるべきだと思われます。

契約締結の時点では率について意識しないことが多いですが、

非常に大事なことです。

個人的な感覚では、10%くらいには下げてもらうべきだと思います。

 

また、手付金・違約金のいずれの場合でも、

契約締結日と代金決済日を限りなく近づけておくことが一番安全です。

 

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2016.03.12更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

今回は、賃貸借売買契約書の条項で注意すべき点、

 

出店契約書などについて書きます。

 

1 不動産賃貸借契約書の条項で注意すべき点


 

 

最初に強調しておくべき点は不動産売買契約書と同じことです。

不動産業者がひな形を用意しており、

その内容もだいたい似たようなものです。 

投資ファンドが絡んだりしている件では、

若干複雑になることがありますが、基本は同じです。

契約書のスタイルを習得したい場合には、

定型書式等を読み込むことが適当かと思います。

定型的、標準的な内容から逸脱している箇所(特約条項など)を

読み取って、その点について注意喚起していかなければなりません。

 

賃貸借契約に固有の特徴は、司法の世界では無視される内容の条項、

すなわち民法または借地借家法、

これらに関する判例の規範に反する契約条項がかなり多く記載されている、

という点です。

たとえば、賃料を1回でも延滞したら賃貸借契約が解除される、

などの条項です。

貸主はいつでも契約の解約の申入れをすることができ、

その場合、借主は立退料を請求できない、などの条項もあります。

立退料の請求不可、との条文は、司法の世界ではほぼ無視されます。

 

特に借地借家法は、借主の弱い立場を保護するとの観点から、

強行法規とされる条文が多く存在し、

この場合、法律の定めよりも借主に不利な条項は

法に反するものとして無効となります。

無効となるであろう定めを敢えて残しておくことは、

当事者間の紳士協定としての意味は持つかも知れませんが、

いざ争われたら無意味である、という点を、

お客様に予めお伝えしなければならないことは、結構多いです。

 

少し違う話ですが、借主の立場からは、

中途解約条項が入っているか否かに注意が必要です。

法律には中途解約に関する条文がありませんので、

途中で退去する場合には、中途解約条項を入れてもらうことが必須です。

不動産を今後活用する必要がないのに、借り続けることを強制され、

残期間の賃料の全額を請求されるのではたまりません。

出たくなったらいつでも出られるためには、

契約に定めを置くことが必要です。

 

2 商業不動産における定期借家契約への切り替え


 

 

商業不動産などにおいては、売上の見込めない店舗を退店させたり、

改装による集客を行わなければならない場合が多く、

借地借家法の規制にしたがうと機動的な事業再編が進まないため、

賃貸借契約でない契約を創設しようとするための

もろもろの工夫がみられました。

出店契約書などはその一例かと思います。

ざっくりと言えば、その場所を貸しているのではなく、

その場所で営業することを認めているだけだ、

という建付で、賃貸借契約ではない、

という説明をすることになりますが、

本気で争われると苦しいところです。

 

そのため、最近は、

商業不動産においても契約の性質が賃貸借であることを認め、

定期借家契約を締結するところが非常に増えているように思います。

 

出店契約書などは、各商業不動産ごとの定型書式であるため、

テナントが修正を求めることは容易ではありませんが、

たまに、標準的な内容からやや逸脱している内容が書いてあります。

他のデベロッパーの契約書にはこんな条項はないので変更して欲しい、ということを指摘するのが、

リーガルチェックの1つの仕事となります。

 

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2016.03.11更新

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弁護士をしております、野澤吉太郎です。

今回は、不動産売買契約書の条項で

注意すべき点などについて書きます。

 

1 不動産売買契約書の条項で注意すべき点


 

 

不動産売買契約書は、多くの場合、

不動産業者がひな形を用意しており、

その内容もだいたい似たようなものです。 

投資ファンドが絡んだりしている件では、

若干複雑になることがありますが、基本は同じです。

定型契約に近いものであり、契約書のスタイルを習得したい場合には、

業界団体の発行する定型書式等を読み込むことが適当かと思います。

 

どの種類の契約でも同様ですが、

定型的、標準的な内容から逸脱している箇所を読み取って、

その点について注意喚起するのが専門家の仕事です。

典型的なものは特約条項に記載された事項です。

 

2 比較的多いトラブルとその対処法

   (契約日と支払日を同一とすること)


 

 

これまでの経験では、瑕疵担保責任の内容、手付金などの取扱い、

担保権の抹消などを巡るトラブルが多いと感じます。

契約締結と代金決済の日取りが別々の場合には、

売主は物件を買主のために押さえておく(他の顧客には売却しない)

ようにするために、手付金の預託を求めていくことがあります。

しかし、詳細は別のブログで書こうと思いますが、

手付金、違約金絡みのトラブルは結構多いものです。

 

トラブルを少なくするためには、契約書の内容を修正することよりも、

契約締結と代金決済を同時に行ってしまうことのほうが

断然に良いと思います。

この場合、通常、買主が融資を受ける銀行において決済の席を設け、

売主・買主・不動産仲介業者・売主側の担保権者・司法書士が同席し、

契約の締結、代金の支払い、登記書類等の、

全ての書類を決裁の場で授受します。

押印前の書類を相互に確認して、

間違いがない状態をもって決済の場に臨みます。

 

弁護士が破産管財人として不動産を売却するときには

必ずこの方法を用います。

契約締結と代金決済が同一時であり、手付金の授受は発生しません。

担保権の抹消書類が整っていない限り、

ローンの実行、代金の授受もなされません。

瑕疵担保責任については、破産管財物件の場合には、

売主は責任を負わない旨の特約を設けます。

 

3 弁護士の関与


 

 

決済の席に臨席することは、

職業人として不動産業界に携わる方については半ば常識ですが、

一般の方の場合には不安に思われることもあるかもしれません。

また、規模の大きい取引、重要な取引の場合には、

弁護士が立ち会ったほうが適切な場合があります。

契約書のチェックにとどまらず、

決済の場に臨席する業務もお請けしております。

また、ご依頼があれば

契約書の起案、確認を業として承ることは、当然のことです。

 

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2016.03.10更新

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弁護士をしております、野澤吉太郎です。

しばらくの間、不動産事件について書きます。

最初は、不動産明渡請求事件について

(中でも、もっとも件数の多いと思われる

債務不履行解除に基づく建物明渡請求事件をイメージして)

書きます。

 

1 債務不履行解除が認められる要件


 

 

賃貸用不動産を所有しているので、他人に貸して賃料を得て運用する、

ということがよく行われます。

賃貸借契約上の債務を賃借人が遵守してくれれば問題がありませんが、

賃料を支払わなくなったり、契約外の他人を入居させたりするなどの

債務不履行を行うことがあります。

場合によっては行方不明になってしまうような場合もあります。

 

賃貸人からの解除が認められるためには、

賃借人の契約違反が軽微な場合では足りず、

その違反が賃貸人・賃借人の間の信頼関係を破壊した

といえることが必要です。

 

2 法的手続きをきちんと履践することの重要性


 

 

信頼関係が破壊されたような場合には、賃貸人が賃借人と任意で折衝し、

自発的に退去していただく道筋を立てるのが最も適切な方法です。

 

それでも、賃借人が自発的に出て行ってくれないこともあります。

このような場合、賃借人が弁護士に依頼すると高く付くという理由で、

賃貸人が自力で鍵を代えたりして追い出すことが、

いまだにあるようです。

賃料を得られなくなって運用もできなくなり、

おまけに費用も何十万もかかる、という状況に暗転しますし、

本当に不誠実な賃借人もいますので、

正直なところ、気持ちが全く分からないわけでもありません。

しかし、このように強制的に追い出す行為は、

自力救済」といわれる違法行為で、

賃貸人が損害賠償義務を負担するなどのリスクもありますし、

場合によっては不動産侵奪罪などの

刑事責任を問われるおそれもあります。

法人の貸主がこのような行為を行った場合には、

レピュテーションリスクが非常に高まります。

 

どうしても賃借人が退去してくれない場合、

弁護士費用の負担感は重々承知しながらも、

弁護士としては、法的手続きを取りましょう、

と言わざるを得なくなります。

 

3 賃料不払いの場合のメルクマール


 

 

賃料不払いの場合には、

3ヶ月分の延滞をみておけば概ね債務不履行解除が認められるので、

ここまでくれば訴訟に踏み切ることが多いです。

場合によっては2ヶ月程度の延滞で訴訟に踏み切ることもあります。

 

若干難しいのは、解除寸前になって

まとまった支払をしてくる賃借人への対処です。

判決までたどり着かなくとも、

賃料債務について和解調書を取得するために訴訟に踏み切ることもあります。

 

4 占有移転禁止仮処分が必要な場合


 

 

無断転貸などを行っている場合には、

訴訟で請求を認容してもらうことはそれほど難しくありませんが、

粛々と手続きを進めている途中に占有者が変更されるおそれがあるので、

訴訟を提起する前に仮処分申立を行い、占有者を特定します。

以前、一棟の賃貸マンションの2部屋の明渡が問題になった件で、

それぞれの賃借人が居るべき部屋を交換して

占有していたことがありました。

 

5 強制執行


 

 

明渡しをせよとの判決を受けた後も占有を係属する賃借人に対しては、

明渡しの強制執行を行います。

この場合、明渡し催告の際に立会人を手配し、

明渡し断行の際に執行補助者の業者を手配する必要が生じます。

 

6 費用


 

 

費用は概ね以下のとおりですが、

そもそも費用の支払いを残念に思う案件が多いので、

事案の内容、物件の広さ、案件数、予算等をお聞きし、

柔軟に対応します。

 

訴訟

・着手金20万円~50万円(消費税別途)

・報酬金20万円~50万円(同)

仮処分が必要な場合

・決定発令の場合 15万円(同)  

・仮処分執行着手金 5万円(同)

強制執行

・申立時 10万円~20万円(同)

・断行完了時 20万円~30万円(同)

いずれも、実費は別途となります。

 

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2016.03.09更新

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弁護士をしております、野澤吉太郎です。

海外事業に対する日本の会社の顧問弁護士の貢献について

少し書いてみたいと思います。

 

1 海外子会社に対する不正行為者に関する警告


 

 

企業法務通信のブログにおいて

海外子会社管理について何度か書いていましたが、

その過程で海外子会社に対する脅威となりうるトラブルを

発見することがあります。

これらについても、日本の弁護士として、

可能な範囲で対処することがあります。

 

私自身は、日本の会社の顧問弁護士として活動しています。

日本の会社の顧問弁護士としての名義で書簡を出し

、海外子会社に対する不正な競争行為などの違反行為を止めるよう勧告します。

裁判所などにおける紛争が生じた場合には、

その国で資格を持つ弁護士が活動しますので、

私は書簡を出し、必要があれば協議に参加することくらいが限度です。

しかし、顧問弁護士などがいない海外子会社が、

個別事案を弁護士に相談することは、それほど容易ではありません。

そのようなときに、日本の親会社の弁護士が、

自分のことを注視して見ている、というメッセージを

違反者に伝えることは、

違反行為などを抑止する大きなきっかけになります。

違反行為がなくなれば、海

外子会社はその国の弁護士に委任する必要がなくなります。

これも、広い意味で、

顧問弁護士のサービスの提供の一環だと考えています。

 

2 書簡の送付の方法


 

 

勧告書などは国際郵便で送ります。

フェデックスにて送ることが多いです。

私の事務所から徒歩3分程度のところに

フェデックスの集配可能な窓口があります。

電子メールに添付ファイルを添付して同送したりする方法も併用します。

 

3 日本の会社に対するサービスとして業務を行うこと

  (顧問料の範囲内で業務を行うこと)


 

 

この場合、私が受任者として業務を履行しているお客様(委任者)は、

日本のお客様です。

したがって、日本で顧問契約を締結していただけるお客様であれば、

警告書の発送自体は、

事実関係の調査等はお客様側にて行っていただいたうえで、

実費のみを請求させていただき、

報酬等については特にご請求しないこととしています。

 

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2016.03.02更新

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弁護士をしております、野澤吉太郎です。

テーマを変え、顧問弁護士について

ふたたび書いてみたいと思います。

 

1 会社の従業員の方々からの法律相談


 

 

事務所が顧問契約を締結しているお客様の会社を訪問して、

法律相談を受けていた時期があります。

お客様の会社、その子会社などの法律相談を受けていました。

それに加え、件数はあまり多くありませんでしたが、

その会社の従業員個人の法律相談を受けることもあり、

状況によっては、代理人として訴訟提起をしたことなどもありました。

自ずと限度はあったと思いますが、

お客様の会社は、相談時間が空いているときは、

容認してくださっていたように思います。

そのお客様の会社の場合、

代理人となる場合は弁護士報酬契約を締結しましたが、

法律相談料のレベルであれば、特にいただいておりませんでした。

 

会社の顧問弁護士に個人のことを相談して良いのか、

という社内の雰囲気はいまだにあると思います。

しかし、今後の弁護士像を考えていくときに、

会社の従業員(役員も含む)の法律相談もお請けできる空気を率先してつくることは、

かなり重要なことであるように思います。

 

労使紛争など、会社と利害対立することが明らかな事案については、

相談、受任することができません。

また、少し専門外であるような事案の代理人として活動する場合は、

他の弁護士に回したりすることもあるかもしれません。

しかし、弁護士である以上、相談を受けてアドバイスすることは、

全ての領域において可能であり、過去の経験上、

たいていの場合は自分たちで処理していたように思います。

 

2 社内制度としての顧問弁護士


 

 

(しつこくて申し訳ありませんが)

今後、人工知能などが

企業法務を代替するようになる可能性が高い状況にあっては、

弁護士が、人間味をもって社内のコミュニケーションを円滑にする活動を

積極的に行うことは、非常に重要なことのように感じます。

 

会社の従業員は執務時間中は忙しく、有給休暇などをとったり、

夜間にならなければ法律事務所に行けませんが、支障があることが多いと思います。

しかし、会社のコンピュータを利用して正解を求めたりすると、

アクセスの履歴が残ってしまったりするので、

サボりだと断定されたりするかもしれません。

解決のために個人が活動する時間は、わりと限られています。

従業員が個人の立場で重大な問題を抱えていたりすると、

仕事のモチベーションが下がることもあります。

当然ながら、個人の秘密を他人に漏らすようなことはしませんし、

ご心配であれば守秘義務契約を締結すればよいと思います。

 

従業員だけでなく、

場合によってはその家族、重要な友人などの心配事が、

その従業員の心配事になったりするようなこともあります。

そのような事案でも、

まずは気軽にご相談いただく体制をつくることが必要だと考えています。

 

リーガルサービスの提供は、

一種の福利厚生とみることができるように思います。

誰かが何かの問題を感じたときに、

会社の弁護士に無償で法律相談できる、という体制を、

会社とご協力して整え、それをうまく解決し、

その会社のステータスや存在価値を上げる活動に繋げることは、

職業冥利に尽きることだと考えております。

 

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投稿者: 弁護士 野澤吉太郎

2016.03.01更新

東京都千代田区の半蔵門・麹町エリアの法律事務所で

弁護士をしております、野澤吉太郎です。

弁護士業務の新規開拓のテーマを再び書いてみようと思います。

 

人工知能についてふと問題意識を持ったので、

その内容を絡めたブログを書いていましたが、

調べれば調べるほど、

人工知能の技術革新の凄まじさに驚くばかりでした。

これは思っていたより大変なことだと感じ、

もう少し続きを書くことにしました。

 

1 技術革新


 

 

あと30年、40年先をイメージして

弁護士業務の新規開拓に関するブログを書いていましたが、

認識がかなり甘かったようです。

米国の法律事務所のパートナー弁護士に対するアンケートの結果では、

今後10年以内に、パラリーガルやアソシエイトの地位にとってかわる、

とお考えの弁護士が多かったようです。

http://www.altmanweil.com/dir_docs/resource/1c789ef2-5cff-463a-863a-2248d23882a7_document.pdf

パートナーの地位ですら取って代わられるのではないか、

という問題意識をお持ちの弁護士すらいらっしゃるようです。

テクノロジー、技術革新などに対して

鋭敏に目を付ける国は、だいたい米国だな、と痛感します。

 

企業の法務部が専門性のある弁護士を選ぶ、

といわれる時代になってきていますが、

下手をすると企業法務の弁護士が沈没するだけでなく、

法務部自体もなくなるのではないか、という気すらします。

 

コンピュータは365日24時間稼働し、

膨大なデータを集積し、分析しますが、

その経験の習得のスピードは、足し算ではなく、

何乗、何十乗(もっと?)の掛け算のイメージだと思われます。

人間が意識しない間に技術革新が

私たちの間近に迫ってくるところが恐ろしいところです。

クルマの自動運転機能のCMを見ると、ふーん、と思いますが、

よく考えてみると、とんでもないことです。

最近は投資用コンピュータが投資判断をして

株式市場を値動きさせているとも聞きます。

 

こうした事態に特に注目せずに過ごしてしまうと、

個々の人間の経験、根性論などが、

あらゆる分野で吹き飛ばされてしまうように思います。

これこそ、法曹の増員のインパクトなど問題にならないくらいの

強烈なインパクトではないかと。

 

2 イノベーションの重要性


 

 

弁護士業務を新規開拓するには、

顧客開拓、専門性の深掘など、いろいろな方法があります。

現在のところ、事業を成り立たせるためには、

専門性を深める必要がありますので、

私自身も、遮二無二にその研鑽を積んでいます。

 

しかし、長い目で見ると、

論理性、ひらめき、知識などをあらゆる領域から吸収し、

いままでにない異質な分野、未解決の問題を見つけ出し、

それを対処する仕事をしていくという、イノベーションの繰り返しが、

最も重要なのではないかと感じています。

専門性を身につける過程で、本に書いていないことを読み取り、

他の分野に応用し、さらに新たな発見をする、など、

あらゆる知恵を振り絞って

コンピュータの裏をかき続けるしか方法がないかと思います。

 

3 人の心を動かす仕事


 

 

弁護士業務のビジネスモデルを再定義する必要があるように思います。 

イノベーションを繰り返し、

人間が自分のために執務していることの感動を与えることを、

職業人としてのモットーにしていかなければなりません。

弁護士とイノベーション?人の心を動かす?という言葉だけを見ると、

何か変な感じを与えてしまいそうですが、

将来の社会を自分なりに見据えると、

必然的にそのような答えが出てきてしまうように思います。

 

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